マルクスの資本論で読み解く「賃金水準」
──感情ではなく“構造”で考えると、見えるものがある

どうも、名ブタです。
「給料が安い」「あの人と比べて不公平」──
職場で耳にするこの手の言葉、実はけっこう根深い。
でもね、これを“感情”の話として受け止めると、どこまでいっても解決しない。
一方で、マルクスの資本論で捉えると、不思議なくらい冷静に整理できるんだ。
今日はこの「賃金水準」を、自己評価と管理職目線の両方から読み解いていこう。
📖 第1章 マルクスの資本論と「労働力=商品」という考え方
マルクスは「労働力」そのものを一つの商品として捉えた。
つまり人間の働く力も、モノと同じように市場で価値がつく。
その価値を決めるのはざっくり言えばこんな要素👇
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その能力を身につけるためのコスト(教育・訓練・時間)
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労働の精神的・肉体的負担
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労働力の供給量と需要
言い換えると「いくら必要とされているか」よりも
「どれだけ代わりが利かないか(希少性)」が、賃金を決める大きな要素になるってこと。
🧮 第2章 なぜ賃金が違うのか──具体例で見る“構造”
ここが一番イメージしやすいところだね。
ちょっと職業ごとに並べてみよう👇
🩺 医者の報酬が高い理由
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医者になるためには長い勉強と訓練が必要で、なった後も勉強が必要(=参入障壁が高い)
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命を預かり、身体を扱う責任の重さ(=精神的コストが高い)
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人数も限られている(=供給が少ない)
👉 コスト・責任・希少性の“3拍子”が揃っているから、賃金は高くなる。
🧹 エッセンシャルワーカーの場合
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精神的負担は大きい
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でも未経験でも始められる(=参入障壁が低い)
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潜在供給量が多い
👉 社会的に重要な仕事でも、市場的には「代替しやすい」と見なされやすく、賃金は上がりにくい。
🗂️ 事務・総務といったバックオフィス職
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特別な資格がなくても就ける仕事が多い
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多くの人が従事している(=供給過多)
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企業にとって重要な仕事でも、市場全体では希少性が低い
👉 「価値が低い」のではなく、構造的に賃金が上がりにくいポジションということ。
🧠 第3章 賃金水準は“感情”ではなく“構造”で決まる
「俺は頑張ってるのに、あいつと給料が同じなのは納得いかない」
職場で一度は聞いたことがあるセリフじゃないかな。
ここでまず押さえておきたいのは──
頑張りは評価の一要素ではあるけれど、決定的な要素ではないということだ。
上司や会社からすれば、頑張りだけで賃金を上げるわけにはいかない。
なぜなら、給与は感情ではなく、構造(相対評価と希少性)で決まるからだ。
同じ成果を出しているなら、頑張っているかどうかに関わらず、給与は基本的に同じ。
ただし、同じ仕事でも「周囲に良い影響を与えている」とか、「能動的に動いて替えが利きにくい存在になっている」人は、評価が上がることがある。
逆に言えば、いくら頑張っていても、替えが利くと判断されれば給与は上がりにくい。
残酷だけど、これが現実の構造だ。
よくある誤解のひとつに、
「頑張ってるのに給与が上がらないのは不当」という考え方がある。
でも実際にはこう👇
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ランクCの人がどれだけCの中で頑張っても、Cの評価基準内では限界がある
-
給与を上げたいなら、**「Cの中で目立つ」より「Bの領域に上がる」**必要がある
つまり、会社に「替えが利く人」ではなく「替えが利きにくい人」と認識されることが鍵になるんだ。
“努力の量”ではなく“立ち位置”を変える必要があるわけだね。
もちろんこれは「頑張りを否定する」という話ではない。
頑張りは土台として必要。
でもそれだけでは、賃金は動かない。
給与水準はあくまで、
👉 相対評価(他者と比べてどうか)
👉 希少性(替えが利くかどうか)
👉 役割の大きさ(会社にとっての重要度)
この3つの構造の上に乗っているんだ。
📌 一言でまとめるなら
「頑張り」は“通行証”にはなるけれど、“昇給チケット”ではない。
💬 第4章 部下の給与不満にどう向き合うか(管理職目線)
ここで注意が必要なのが、この理屈をそのまま部下にぶつけるのは危険ってこと。
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給与不満を口にする人の多くは、理屈ではなく「感情」を吐き出している
- 同僚を基準にした自己評価で言ってたりするから「感情」
- ちょっと文句言ってみたいだけって軽い愚痴の事もある
上司としては、聞いてしまうと気になるし放っておけない気分にはなる。
でも、ちょっと待って欲しい。
「君の価値がそれだけだから」と言えば、モチベが一気に下がるのは明白だ。
この資本論による説明は、”それがお前の価値だ”と言ってるようになってしまうんだ。
それを言うかは、一度立ち止まって考えた方がいい。
日常会話の中でじんわりと伝えるか、有望株にだけ段階的に教えるのが現実的なんだ。
🧭 第5章 資本論で「自分の給与」を評価する
ここで重要なのは、「不満を正当化するために資本論を使う」のではなく、
**「冷静に自己評価するために使う」**ということ。
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自分の職業の参入障壁は高いか?
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供給量は多いか?
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自分のスキルは他と差別化できているか?
このあたりを冷静に分析すると、自分の給与が高いのか低いのか、根拠を持って判断できる。
そしてその上で交渉するもよし、転職を考えるもよし、今の立場を戦略的に活用するもよし、だ。
それでも不満は簡単には消えないだろうが、ちょっとモヤモヤは消えるはずだ。
✨ まとめ──感情のノイズを抜けば、立ち位置が見えてくる
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賃金水準は、社会的価値ではなく「構造」で決まる
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医者も事務も、善悪じゃなく“供給と希少性”の話
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部下に伝えるときは理屈で殴らないこと
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自分の給与を理解するために、資本論は強力な“鏡”になる
不満を吐き出しても、給与は上がらない。
でも構造を理解すれば、「なぜ上がらないか」も、「どう上げるか」も、見えてくるんだよね。
──名ブタでした🐷









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