【書籍レビュー】あの国の本当の思惑を見抜く 地政学|“地理”から国の行動が読めるようになる一冊
― 感情論じゃなく、“地図”で考える安全保障 ―

どうも、名ブタです。
最近、軍拡とか安全保障の話題がやたらと増えてるよな。でもニュースを追いかけても、「なんでそうなるのか」までは見えてこないことって、結構多くない?
今回紹介する『あの国の本当の思惑を見抜く 地政学』は、そんなニュースの裏側を“地理”から読み解く視点をくれる一冊なんだ。
地理が戦略を決める
この本の面白いところは、歴史の羅列や政策論じゃなく、「国の地理的条件」から話を始めてる点だ。
国の位置、海、山脈、航路、資源──こういった動かない地形が、実は国の安全保障や戦略の方向を縛っている。
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ロシアは不凍港を求める
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中国は外洋への出口を欲しがる
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アメリカは本土から遠い場所で防衛線を築く
……こうした各国の動きには、すべて地理的な“理由”がある。ニュースをただ追うより、この「地理」という前提を押さえたほうが、動きがスッと読めるようになるんだよな。
日本という“鍵”
以前に「専守防衛のジリ貧を超えて ― 日米安保の影に眠るリスク」でも日本の軍備の話をしたんだけど、僕が思うに、地図を眺めると、太平洋には拠点になる島が驚くほど少ない。そのなかで日本列島は、アメリカにとっても中国にとっても戦略の要になると思うんだ。
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アメリカ側から見れば、日本は外縁防衛の“最前線”
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中国側から見れば、日本は外洋進出を邪魔する“防波堤”
だからこそ、万が一大きな戦争が起きたら──真っ先に狙われるのはこの日本なんだ。
よく「日本は不沈空母」と言われるけど、これは決して大げさな比喩じゃない。地理的にそういう役割を持たされている。
再軍備の議論は感情論じゃない
日本の再軍備については賛否が分かれる話だけど、地政学の視点に立つと、感情で語る話じゃないことがよく分かる。
地理的に最前線に位置する以上、最低限の抑止力を持たなければ、戦争が起きたとき真っ先に沈む。
それは“戦争をしたい”とか“軍国主義”の話ではなく、自分の盾を自分で強化するかどうかの問題だ。
国際的な波及
日本の軍備強化って、実はアジアだけじゃなくEUからも歓迎される面がある。
EUにとってはロシアへの対応で手一杯。もし日本が東側の防波堤としてしっかり立ってくれれば、ロシアと中国が連携するリスクを抑えられる。
アジア各国でも、中国を直接批判できない国は多いけど、本音では「日本がいてくれると助かる」って国は多いはずだ。
つまり、日本の軍備強化は一国の話じゃなく、国際的な陣営構造の中のピースでもあるんだよな。
読んで感じたこと
この本を読むと、ニュースが“点”じゃなく“線”でつながる感覚がある。
台湾有事、防衛費、米中対立……全部が地図一枚で整理できる。
「なぜ日本が狙われるのか」
「なぜ軍拡の話が出てくるのか」
「なぜアメリカは日本を離さないのか」
感情論を一度横に置いて、地理という冷たい現実から見直すと、話がずっとクリアになる。
こんな人におすすめ
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軍拡・安全保障のニュースを地図で理解したい人
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日米中の関係を構造的に整理したい人
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「再軍備」を感情じゃなく地理から考えたい人
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地政学の入門書を探している人
まとめ
この本は、「地理」という動かない前提から国の行動を読む、非常に強い“軸”を与えてくれる。
日本がなぜ要衝なのか、なぜ軍拡が必要なのか──ニュースで語られない「前提条件」が見えてくる。
一言でいうと、「地図が読めると、世界が見える」。
そんな実感を得られる本だった。
名ブタでした。🐷✨








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