【書籍レビュー】本を守ろうとする猫の話 ― 本と人の距離を考える夜に ―
ー 静かな物語が思い出させてくれる、“読む”という体験のぬくもり

どうも、名ブタです。
今日は夏川 草介先生の『本を守ろうとする猫の話』という作品を読んで、少し考えたことを残しておこうと思います。
タイトルだけ見るとファンタジーっぽいけど、
実際は「本と人との距離」について静かに問いかけてくる、落ち着いた作品でした。
猫はただの案内役
この本に出てくる猫は、主役というより“ガイド”。
彼が出会う4人の人間たちは、それぞれ違った形で本に向き合っています。
知識として使う人、飾りとして並べる人、商売として扱う人、思い出として抱く人——
まるで今の時代の「本との関わり方」を並べて見せてくるようでした。
猫はその誰も否定しない。
ただ静かに、そこにある本と人を見つめ続ける。
著者が伝えたいのは、“どの形も間違いじゃない”という優しさと、
それでも少しだけ漂う“寂しさ”なのかもしれません。
本の読み方に正解はないけれど
いまは電子書籍もあるし、レビューも要約もネットに溢れてる。
「速読」や「必要なとこだけ読め」みたいな考え方も増えたけど、
本って、そんなに効率で測れるもんでもないと思うんです。
ページをめくる手の感触、紙の匂い、
そして、たまたま入った書店で偶然出会う一冊——
そういう“体験”ごとが本の良さなんじゃないかな。
この作品の中に流れているのは、まさにそんな空気です。
おわりに
『本を守ろうとする猫の話』は、超おすすめ!ってタイプじゃない。
でも、読んでいると自然に自分の「本との距離」を考えたくなる。
派手さはないけど、静かであたたかい読後感が残る作品でした。
たまにはスマホを置いて、紙の本をゆっくり読む時間を作りたくなりますね。
それでは、また次の夜にでも会いましょう。
名ブタでした。







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