【書籍レビュー】バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容
― 「うまい話」を見抜く力は、本一冊からでも身につく ―

どうも、名ブタです。
古本屋ってたまに妙な本に出会う。
探していたわけでもないのに、ふと目に入って「まぁ数百円だし買ってみるか」と手に取る。
今回紹介する本もそんな一冊だった。
『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』
正直、最初はそこまで期待していなかった。
まぁこういう金融事件もちょっと知っておくのも面白いかなくらいで手にとった。
ところが読んでみると、これが思った以上に面白い。
しかも「金融」に興味がない人でも読んでおいた方がいい本だと思った。
理由はシンプルで、この本は詐欺の構造そのものを理解できるからだ。
世界最大級の金融詐欺「マドフ事件」
この本の題材になっているのは、アメリカで起きた巨大金融詐欺。
主犯はウォール街の大物投資家
Bernard Madoff。
彼はかつて
NASDAQ
の会長まで務めた人物で、金融業界では超がつくほどの有名人だった。
そんな人物が何十年も続けていたのが、
史上最大級のポンジスキーム(自転車操業型詐欺)
だった。
被害額は推定で
650億ドル(約7兆円以上)
といわれている。
数字だけでもスケールがおかしい。
ポンジスキームという単純な構造
ただし、この詐欺の仕組み自体は驚くほど単純だ。
新しく投資した人のお金を使って
すでに投資している人に「配当」を払う。
つまり
↓
既存投資家 → 配当
という構造。
運用益でもなんでもない。
単なる資金の付け替えだ。
ただしこの仕組みには致命的な特徴がある。
顧客が増えるほど、配当の負担も増える。
つまり、どこかで必ず破綻する。
なぜ長年バレなかったのか
この事件の本当の面白さはここにある。
仕組み自体は単純なのに、
マドフは何十年も詐欺を続けることができた。
理由は色々ある。
まず、彼自身が金融界のトップ人物だったこと。
さらに投資家の多くが富裕層や金融機関だったこと。
つまり
「信用」が詐欺を巨大化させた。
誰も疑わなかったのだ。
この本を読むとニュースの見方が変わる
この本を読んで一番面白かったのは、事件のドラマ性ではない。
詐欺の構造が見えるようになること。
これが大きい。
世の中にはさまざまな詐欺事件があるが、
よく見ると構造はかなり似ている。
例えば
-
投資詐欺
-
マルチ商法
-
仮想通貨詐欺
-
高利回り投資
多くは同じロジックで動いている。
一度ポンジスキームの構造を理解すると、
ニュースを見るときの視点が変わる。
「利益はどこから生まれているのか」
という疑問を自然に持つようになるからだ。
最近の日本の事件を見ると分かりやすい
例えば最近、日本で話題になったトケマッチ事件。
高級時計を預けるとレンタル収益から配当がもらえる、という仕組みだった。
ただ、この話を聞いたときに僕が真っ先に思ったのは、
「これポンジスキームじゃないか?」
ということだ。
もし時計をレンタルして利益を出しているならまだ分かる。
だが仮に
-
預かった時計を売却
-
その資金で配当
という構造になっていた場合、
それはまさにポンジスキームと同じになる。
ポンジは最初のうちは回る。
新しい参加者が増える限り、
配当は払えるからだ。
しかし参加者が増えれば増えるほど、
いずれ支払いが膨らみ破綻する。
この構造を知っていると、
ニュースを見た瞬間に「あれ?」と気づくことがある。
詐欺は「構造」で見ると理解しやすい
詐欺事件は毎回違うように見える。
-
投資詐欺
-
仮想通貨
-
マルチ商法
-
不動産投資
-
共同購入ビジネス
しかし実際には、
使われている構造はかなり限られている。
今回のポンジスキームもその代表例だ。
一度この構造を知ってしまうと、
ニュースの見方がかなり変わる。
「この利益はどこから生まれているんだ?」
という疑問を自然に持つようになるからだ。
知識は詐欺の防御になる
普段、詐欺事件というのは
自分とはあまり縁のない話に見える。
だが、構造を理解していないと
人は案外簡単に騙される。
逆に言えば、
仕組みを知っているだけで
被害に遭う確率はかなり下がる。
この本はまさにそのための本だと思う。
金融の専門書というより、
詐欺の構造を学ぶ読み物
として読むとかなり面白い。
『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』
改めて紹介しておく。
『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』
世界最大級の金融詐欺を題材にしながら、
-
ポンジスキームの仕組み
-
なぜ長年バレなかったのか
-
投資家心理
-
金融業界の裏側
などがかなり分かりやすく書かれている。
金融に興味がある人はもちろんだけど、
普通に読み物としても面白い。
詐欺事件の構造を知りたい人にもおすすめの一冊だ。
古本屋で見かけることも多いので、
もし見つけたら手に取ってみると面白いと思う。
こういう本は一冊読んでおくだけで、
ニュースの見え方が少し変わる。
それだけでも、読む価値はあると思う。
──名ブタでした。










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