選挙ポスターの“抜け道”と制度のゆがみ──本気で立候補する人のために
ー 非難じゃなく、制度の話をしよう。新人にもフェアな仕組みを。

どうも、名ブタです。
ちょっと前に話題になった、東京都知事選での「選挙と関係のない候補のポスター掲示」。
あれ、見た人も多いんじゃないでしょうか。
僕も正直なところ、ああいうポスターを見て良い気はしません。
でも一方で、「なるほど、そんなこと考える奴がいるのか」と感心した部分もあります。
法の抜け道を突いた奇抜な発想──それはそれで一つの行動ではある。
けれど、本音を言えば「本気で立候補してない人にはご退場願いたい」と思っています。
選挙は遊び場じゃない。
だから僕は、個人を叩くんじゃなくて、制度としてどうしたらいいのかを考えてみたんです。
🧭 制度の“抜け道”が問題を作る
現行の制度では、立候補さえすれば、誰でもポスター掲示の権利が与えられます。
掲示板の数は膨大。とくに都知事選クラスになると、駅や公共施設、投票所前など、都内全域に貼られる。
そしてポスターには、
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顔写真の掲載義務がない
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政治活動と関係のない内容でも形式上は通る場合がある
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掲示は基本的に候補者・陣営任せ
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政党が裏で関与しても責任の所在はあいまい
──こうなると、「選挙と関係ない候補の大量掲示」が起きても不思議じゃない。
制度に穴があるから、そういう手も成立してしまうんです。
🧩 これは“倫理”の話ではなく「制度設計」の話
この手の話って、「やった奴ズルい!」みたいな声が先行しがちだけど、
僕はそういう反応には与しない。
誰かを叩いても何も変わらないし、制度の穴があれば誰かが突くのは自然なこと。
だから必要なのは、構造の見直し。
そして本気で政治をやろうとしてる人が、ちゃんとフェアに戦える環境を整えること。
それが僕の基本スタンスです。
🧱 掲示板不足への対策
今回の都知事選では、立候補者数の想定を超えて「掲示板が足りない」なんて話も出てたよね。
これも制度の設計ミスのひとつです。
根っこの原因はシンプル。
👉 立候補受付が遅すぎて、必要な掲示数が事前に確定できなかった。
だから、
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立候補受付の締切を前倒しして、掲示板の必要数を確定
-
その上で設置数を調整しておく
──これだけでも、今回みたいな“貼れない人が出る”という本末転倒は防げる。
これは今回の制度見直しとは別項だけど、絶対にセットでやらなきゃいけない話だと思ってる。
🧩 抜け穴は罰金でなく設計で塞ぐ
実際、大事なのは何だろうか?
「とんでもない罰金で脅す」でもなく「候補者を吊るし上げる」でもなくて、
制度をスマートに設計し直すこと。
たとえば──
- 指定掲示板は行政が貼る
- 指定掲示板用のポスターが期限までに提出されなければ立候補取り消し
- ポスターのデザインは全掲示板で統一
- 顔を出さない候補はデザイン制限
- 党に少額でも責任(罰則+開示義務)を持たせる
このあたりを実行すると、安易な売名とか商売目的は減りそうな気がするね。
🛠 指定掲示板は行政が貼る、ただし最低限だけ
僕の案は、まず**「最低限の掲示」だけは行政がやる**という仕組みを導入すること。
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行政が貼るのは「指定掲示板」に限る(投票所前や主要施設など)
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そのポスターは、候補者が事前に「印刷物納品」をする。
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納品が期日に間に合わなければ立候補は無効
この仕組みにすることで、
訳の分からん不適切なポスターは減らせる。
新人や資金が少ない候補者でも「最低限の露出」は確保され、
貼る手間や作業員数の差が“スタート地点での格差”にならなくなる。
そして──
この指定掲示板の配布コストは、すべて供託金から充当することで、行政の赤字化も防げるように設計できる。
なんならデータ納品にしてやると印刷枚数が増えるからコスト減らせるかもしれないとか、この辺はもっと検討できる材料がゴロゴロしてそう。
🧮 指定掲示板に絞る理由は「費用圧縮」と「制度の持続性」
ここがポイント。
今回の制度案で行政が担当するのは、あくまで「最低限の指定掲示板」のみ。
その理由はシンプルで、「費用を抑え、制度として持続可能にするため」。
候補者が多くなっても、行政が貼るのは決められた数の掲示板だけ。
必要な掲示数も立候補締切を早めることで事前に確定できる。
だから「掲示板が足りない!」なんて事態も起きないし、無駄な人手も予算もかからない。
供託金内で完結する制度設計。
行政が“何百人分の掲示”をボランティア的に請け負う仕組みにする必要はない。
最低限の露出だけを、平等に。
そのための掲示枠、それが指定掲示板。
🪧 自由掲示は可、ただし「デザイン統一」で悪用を防ぐ
じゃあ、もっと貼りたい候補はどうするか?
もちろん自由掲示はOK。
ただしルールが一つ。
👉 指定掲示板と“同一デザイン”であること。
このルールを入れることで、
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指定掲示:行政が貼る/最低限の平等
-
自由掲示:候補者の自由/資金がある人は追加できる
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ただし内容を変えて広告風に使うような“悪用”は防げる
つまり、追加で貼る人は「目立つ」ことはできても、「制度を逸脱した演出」はできなくなる。
👤 顔なしポスターは“旨味”を潰すテンプレで
ポスターでは顔出し必須にしたら、名前だけ貸した立候補がなくなりそうなんだけど、
まぁ、顔を出さない自由は現行のままとして考えてみると、
顏を出さない場合の制限を大きくすればいいんではないかと考えた。
だから、顔を出さない候補者は専用テンプレで対応。
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デザインは中央に「氏名」+キャッチコピー1行のみ
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背景・装飾・写真・企業風ロゴは禁止
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登録テンプレート外の掲示は不可
これで「顔出しナシ=怪しい広告」みたいな構図を排除できるし、
そもそも、売名・商用としての旨味が1㎜もないだろう。
政策勝負で来る候補だけが残るようになる。
⚖️ 現行罰則+党への責任で制度を考えてみる
違法行為には「罰則を強化すればいい」と言う人が多いです。
でも僕は、そこは少し違うかなと思った。
個人候補への重罰は、新人の政治参加を萎縮させるだけです。
政治に挑もうとする人が制度の複雑さに怯える構造を作ってしまえば、むしろ既存の政党に有利になる。
つまり、「強い罰」=「公平」にはならないんです。
今ある法律でも、違法掲示には罰則があるから、
ルールをより明確してしていくことが大事かなと。
罰則受けるヤツが居て、政党が関与していれば党名が出れば、それなりに組織ぐるみの不正は抑えられるかもと淡い期待はあるけども、まぁ小さな個人が違法しても政党にはさほどなダメージにはならんでしょうね。
まぁ、それなら度を過ぎた行為を是正しながら、政治への入り口は入りやすい方を優先していく方が日本の将来には良いのかもしれないよね。
💰 供託金の運用で、無理なく公平に
今の供託金は「ただ預けて返ってくるだけ」で、使い道がなさすぎる。
だからこそ、行政掲示にかかる実費をそこから充てる構造が合理的。
そもそも供託金って年収に関わらず一律じゃん?
人生の掛け率ちがくね?って思うんだよね。
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印刷+貼付コストは供託金でまかなう
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自由掲示や追加制作は自己負担で自由に
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制度上の平等ラインは“費用内で明確に保障される”
こうすれば、供託金も活動に使える形になるし。
「政治をやる覚悟」は問えるけど、「金があるやつだけ勝つ」って状況を少しは是正できそう。
🐖 総まとめ:制度は“感情”ではなく“設計”で守るもの
今回の件は、誰かのモラルが悪いという話じゃない。
制度がスカスカだったから、変なことが成立してしまっただけ。
だから直すべきは制度。
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指定掲示板は行政が貼る(費用は供託金から)
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自由掲示はデザイン同一ルールで運用
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顔なしポスターは専用テンプレに制限
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掲示板不足対策として立候補受付を前倒し
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現行罰則+ルールの明確化
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供託金活用で制度内に収めて平等ラインをつくる
たったこれだけでも、“制度の歪み”はかなり防げる。
本気で立候補する人の声が埋もれない選挙にするには、感情論ではなく設計思想が要る。
それを少し整えただけの話なんです。
今回は未検討部分が多い、ちょっとしたアイデア程度で終わるね。
──名ブタでした。






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